2016年5月7日(土)大隅半島ツーリング

午前5時起床。

昨日からの雨が残るジメジメした朝だった。

こんな日にツーリングなんて普段なら行かないだろう。

震災後バイクに乗れていない。何が何でも今日はしたたかに走りたい気分だ。

「南へ」

期待を胸にアクセルを開けた。

国道3号線を行く。地震の影響で至る所に段差があった。油断するとハンドルが撮られる。集中して行こう!

八代市から球磨川沿いに国道219号線へ。

雨と霧が酷く、ここで雨具を着込む。

GWの早朝とあって軽快なペースで人吉市まで走り抜けた。

熊本県民ご用達の「お弁当のヒライ」で朝食。

ここまで100km。ノンストップで走ってきた。普段のスティントではここまで走らない。

2009年に他界した同僚の「林さん」とのツーリングではいつも私が先頭を走り、50km毎ぐらいには休憩を入れていた。

ある鹿児島ツーリングで、「たまには先頭を走りませんか」と林さんに先頭を譲った。すると彼は熊本から一気に鹿児島空港までノンストップで走った。

「そろそろ休憩しませんか」と私が根を上げたのだった・・・

彼は根っからの走り好き。あれから7年、私もついにその胸中に近づいたのかどこまでも走りたい気分なのだ^^

加久藤峠のループ橋を抜ける頃には雨も上がった。

雨具を脱ぐと先を急ぐ。

宮崎県側は霧に包まれていた。峠から長い坂を滑り落ちえびの市へ。

えびの市から小林市、都城市へ抜ける。

やっと鹿児島県に入り、志布志市を抜け道の駅「くにの松原おおさき」で休憩。

おっきなカブトムシがいました^^

さあ、ここからいよいよ大隅半島へ突入!

このロードは3月にキャンプで通ったところだが、内之浦までしか行ってなくその先が見たかったのだ。

ついでに最南端の「佐多岬」まで行ければ・・・

空が晴れ渡り、爽快なワインディングに心が躍る♪

白砂の海岸が見え、アクセルもワイドオープンだ!

穏やかで明るいけど、昔台風接近のこの海岸を見たことがある。

とても荒々しくて、近づけない恐怖感を覚えたのだ。

しかし今日は違う。夏日が差し込んでいるからね^^

内之浦の町内で「コスモピア内之浦」へ寄り道。

ここの売店にはJAXAの宇宙グッズがある。(何も買わなかったけど)

一息入れて先を急ぐ。

宇宙空間観測所のレーダーが見える。ここだけは道幅が広く走りやすい^^

ロケットセンター入口付近は霧に覆われていた。

前回見学しているのでここはスルーしてさらに南下!

山を降り、海岸線へ降りて行く。

また目の前に大きな海岸が見えてきた。

はやる気持ちでアクセルを開けた。

「岸良海岸」の波打ち際にバイクを止める。広い海岸だが、建造物が多く私好みではない><

先へ急ぐ。この先国道448号線は錦江湾方面の山間部へ縦断している。県道74号線を使い太平洋側を進んだ。

すると目の前にまたも綺麗な海岸が見えてきた。

「辺塚海岸」と言うほぼ廃村にある海岸だ。

見渡す限り自然のままの海岸で期待が高まる。

バイクを停め、上着を脱いだ。

美しい。青い海と白い砂!(平凡な表現^^;)

ここは南国。まさに最果てだ。

右手には渓流の清水がいきなり海に流れ込んでいる。

知床半島にはシャケが遡上する渓流が海に流れ込み、漁をする番屋とヒグマが共存にていると聞く。

ここにはヒグマもいないし番屋も無いが、そんな佇まいの自然溢れる場所だった。

決定的に違うのは明るさだ。南国の日差しが目に痛い。

私はしばらく時を忘れずっと海を見やった。

これを見るためだけにここまで来たとしても納得出来る。

名残惜しくバイクに跨った。

県道に戻るとこの先は通行止めになっていた。

さっき見た海で満足したのか、佐多岬は諦めて国道に戻ると錦江湾方面へ半島を縦断した。

山の上の爽快な峠を抜けると錦江湾が見えてきた。

日が少し傾きキラキラと輝いている。

進路を北に向け、垂水市で給油。ここまで330km走行で10L。満タン法で33km/Lの燃費だ。

市内を抜けると桜島が見えてくる。

午後2時近い。道の駅「垂水」で昼食をとった。

足元には沢山の火山灰が積もっている。

火山と共存する暮らしって・・・

人って強いよな。「がんばるけん熊本」!ちいさな声で呟いた。

霧島市から鹿児島空港を抜け、薩摩町へ。紫尾山の峠を抜けると出水市だ。

国道3号線に復帰しひたすら北上。

走行距離は500kmを超え、久しぶりのロンツーで身体がガタピシきしむ。

津奈木ICから日奈久ICまで無料区間を行く。

今日も無事だった。先の見えない日々にストレスを感じた頃、

今日一日がとてもありがたい。

自宅近くまで帰ってきた。まだブルーシートで屋根を覆った家が点在する。

自然には抗えない。七転八倒何度でも立ち上がってやる。

バイクでも何度転んでも立ち上がったしね^^

ゆっくりバイクを走らせた。今日一日を戦ったバイクへのねぎらいと旅が終わる物悲しさからだった。

end

走行距離560km

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