18日朝4時起床。外はまだ暗い闇に包まれている。
久しぶりのツーリングに身体中の生気がみなぎっていた。
荷物を積み込んで真新しいライダーズウエアに袖を通す。
「南の海まで」
15.07.18 野間崎ツーリング
昨年夏の指宿ツーリングで行けなかった「野間崎」を見たいと思ったのはほんの数日前だった。
真夏の日差しを浴びて南へ!そんな妄想がどんどん膨らんで、今朝を迎えていた。
バイクに跨りイグニッションスイッチをONにする。セルボタンを押すとVツインの咆哮が目を覚ました。
国道3号線を南へ。まだ肌寒く車もほとんどいない。
八代市を過ぎると、日奈久ICから芦北ICまで高速道路無料区間を飛ばす。
風景が矢のように流れ、朝もやの中から太陽が日を出した。
芦北、水俣市を通過し鹿児島県に突入。ここまで約100km。
気温がどんどん上昇し、鹿児島県阿久根市に入るとインナーウエアを一枚脱いだ。
薩摩川内、串木野やり過ごし先を急ぐ。
南さつま市に入り昼食のおにぎりを買い込む。アジフライが美味そうで、店を出るとソースをかけその場でかぶりついた。
真夏の日差しに汗が滴り落ちてくる。もう一枚インナーを減らした。人心地つくとさらに進む。
昨年しんいちさんと待ち合わせた「くじら館」を過ぎて、いよいよ初めて通る区間へ突入だ。
小高い断崖の上を走る。眼下に海が輝き目指す野間半島が見えてきた。
港まで坂を駆け下りて、岬まで延びる狭い村道(?)をまた駆け上がった。
風が強いところなのだろう。10本ほど風力発電の風車が空にそびえる。
この日は風が無く、風車はどれも回っていなかった。
岬のほぼ中心ぐらいに「野間崎ウインドパーク展望台」がある。この先も林道が続いているようだが、グラで行けるのはここまでか・・・
バイクを止めてヘルメットを脱いだ。潮風がふと香った。熊本からここまで233km。遠かったなぁ^^
展望台は360度のパノラマで眼下に東シナ海の海がどこまでも広がっていた。
岬の先端まで行けたらよかったのに・・・でもここまで来た達成感で満足していた^^
熱を含んだ地面に座り込んだ。タイヤのトレッドはやすりで磨いたように削れ、マフラーは
「カチン、カチン」と熱収縮の音がする。
共に戦った愛機。何も物言わぬ。アスファルトにゴムを刻み、潮風と砂ぼこりにまみれても、どろどろと軽快な鼓動で転がり続けた。
頼もしい相棒だ。
もう少し近くで海が見たくて港まで降りて行った。
南海の海は青く透き通り、このまま飛び込みたい気分だよ。
しばらくぼんやり海を眺めると来た道を引き返した。
さらば薩南の海よ!
南さつま市内で給油。せっかく来たからと「吹上浜」や「万世特攻平和祈念館」に向かったものの、何を見るわけでも無く昼飯のおにぎりをかじった。
走り続けていなけりゃ倒れちまう
自転車みたいなこの命転がして
息はきれぎれそれでも走れ
走りやめたらガラクタと呼ぶだけだ
この世では
中島みゆきの「親愛なる者へ」のフレーズを口ずさみながら北上していた。
道の駅「阿久根」で水分補給、「AZあくね」では買物をして行った。
八代市の農免道路で最後の休憩。これから向かう先に雨雲が見えていた。
最後の最後で振られちまった><雨具は持っていたがそのまま強行突破。
次第に雨は止んで約490kmの弾丸ツーリングは無事終了した。
2015年夏はまだ始まったばかり。次は何処へ行こうか^^