有明海回遊ツーリング
1月12日(日)
熊本市→宇土市→三角町→上天草市→天草市→鬼池(フェリー)→口之津→南島原市(原城跡)→小浜温泉→諫早市→
太良町→鹿島市→小城市→佐賀市→大川市→柳川市→大牟田市→荒尾市→長洲町→熊本市 合計320km

有明海をグルっと一周回遊ツーリングに出かけた。

当日朝は寒く、走り出しから心が折れそうになるが、有明海が望む宇土市長浜あたりに来ると海からの風が暖かく心を持ち直す事が出来た。

鬼池発のフェリーは11時。それに間に合うようアクセルを開けた。

本渡市内を抜け鬼池はほど近い。軽く雨が降ったがシールドに水滴がついたぐらいで走りに影響は無い。
出航20分前に無事フェリー乗り場に到着した。余裕でキップ売り場へ向かうと、先客の団体さんキップ購入に10分ほど待たされる事に><
やっとキップを買うと乗り場にはだんごのバイク1台しか残っておらず、「早く乗って」と急かされた。
バイクはだんご1台だけで、片隅にちょこんと乗せられた。するとすぐに船は動き出した!

デッキを流れる潮風が心地よい。30分の海上ドライブだ。

このあたりの事を「早崎瀬戸」と呼び、いるかウオッチングが盛んな場所だ。
この日も沢山の船が海峡を行き来している。きっと魚も取れるんだろうね。

島原半島が目の前にグングン迫り、あっと言う間に口之津の港にフェリーが滑り込んだ。

乗船はギリギリだったので、早めにデッキを降り下船の時を待った。

船を降りると一旦島原市方面へ進路を向けた。目的は「原城跡」へ行く為だ。
そこは「島原の乱」(その後”島原の変”へ変更)の終焉地で、約3万人のキリシタンが根絶やしにされた非業の地だ。

悲惨な歴史の遺産だけに足が重かったが、どうしても一度ここに来ておかないと行けないと思っていた。

島原の乱には多く天草衆(肥後国)が居た。首領と言われる天草四郎もそうだ。
作家の「司馬遼太郎」さんが、島原の乱について書かれた本の中で「祖国を自由に選べるとしたら私は天草を選ぶだろう」と書いていた。
その理由に「島原から見るより、天草から見る海景が明るいから」と言う事らしい。
そんな目線で今まで海を見たことが無かった。海景とは海の風景と言う事だろうか・・・。


一揆集は、ここに3ヶ月も篭城を続け、幕府軍と戦った。
そこから見える海の色が暗かったなら、それはきっと前途の見えない悲壮な闘いだっただろう。


原城の南側は断崖に切れ込んでおり、そこから天草方面への展望が開けていた。

そこから見える海はとても凪いでいた。

荒涼とした、滅びの痕、終焉の地、そんな場所から見る海が明るく見えるはず無いじゃないか!

それに加えてここには自動販売機もトイレも無いときた。地元からも日の当てられないスポットなのだろうか?
少なくともだんごはとても居心地よく、ここ居る事に悪い気がしなかった。

しかし旅は続く。きびすを返し昼食へ小浜温泉へバイクを進めた。
国道251号線の海岸線をぐるっと北上し、温泉客で賑わう小浜温泉へ入った。
ここで名物の「ちゃんぽん屋」を探す。特に目当ては無かった。バイクで入りやすければ良いのだ。

オバマ大統領にちなんで最近盛り上がる小浜温泉。


濃く白いスープが印象的で、スープ少な目なのにレンゲがやたらでかく、スープがすくえないという(^^;
650円と言う値段と味はグゥ〜♪

お腹も満たしたところで橘湾沿いを諫早市へ向かう。
諫早湾干拓の潮受け堤防道路を通り、国道207号線へワープ!ここは以前紹介したので割愛したい。

長崎県から佐賀県へ突入して、太良町を行く。この沿線沿いに多くのカキ小屋が並んでいた。
どこもお客さんが沢山入っているようだ。だんごはカキが苦手でスルー。
太良の道の駅へ逃げ込み、しばし一服。

午後3時頃か、折り返し地点は過ぎたよね^^


ここから見える海もガタばかりで綺麗なものではないけど、人の営みが感じられる豊穣の海なのだ。
皆海のほうを向いて生活しているのが見える。

混みあう佐賀市や大川市はスルーして一気に走り抜けた。柳川市で少し休憩でもしよう。

古い町並みには、古い銀ゴキもお似合いかも^^

狭いクリークにどんこ船が行きかう。とても風情があるがライダーには不釣合いな場所かも!
一人苦笑いしてタバコを吹かした。


柳川市からは有明湾岸道路の無料区間を使い一気に大牟田市を抜けた。
この辺から走りなれた場所で、荒尾市、長洲町を抜ける。完全に日が落ち、気温もぐっと下がってきた。

最後の休憩に国道501号線沿いの休憩所へ。

走行距離は300km近い。ここまで走れて満足。

駆け足で見てきた有明海一周の旅はもうすぐ終わる。冬季にロングツーリングをこなした自分に満足度は高まっていた。
ヘッドライトを消すと月明かりが廻りに満ちていた。

ムーンライトライディング!旅の終わりを照らしてくれた。

一息ついてバイクに跨った。いよいよ最後のパートへアクセルを開けた。
明るい海、豊穣の海、悲しい過去の海・・・悲喜交々。
河内付近から見える最後の有明海も月明かりでキラキラと輝いて見えた。

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