早春の古処山〜復興の思い届け〜

 3月13日(日)早春、雲一つ無い快晴の中、福岡の小京都「秋月」の名山「古処山」登山を行った。

 だんごが人生に彷徨っていた時、道標(みちしるべ)と軌道修正をしてくれたのは沢山の「人」であった。そんな時に出会った登山仲間の「ちょこたんさん」は、同じ名字と言う親近感もあるが、見ず知らずの人間が同じ目的で出会い、山に登る。それだけの事だが、その一瞬人は皆の為に行動し、一つの目的に達する為、協調し助け合う場であり、その重要なパートナーになった。
 彼女が結婚そしてお腹には赤ちゃんがいるとの報告を、とても嬉しく思えた。幸せの階段を一歩一歩上がって行く様子を目の当たりにし、「自分も頑張らなければ」と勇気を貰えた。
 そして出産後はご主人の待つ、遠く東海地方に引越しされる。彼女が重い身体で、「最後に皆でハイキングしたいです」との誘いに断るすべも無く我らK4Cは当日を心待ちにした。

 その二日前の11日、東日本太平洋側を未曾有の地震、津波が襲った。会社のPCで事態を知っただんごは、続報で次々あらわになる被害の映像を目の当たりにし、映画か何かを見ているような現実とは思えない心境だった・・・。
 これほどの大惨事、通常の登山なら止める事も考えるが、今回の登山はどうしてもやりたかった。日本中が不安な状況で、明日は我が身かとも思う。沢山の人が路頭に迷い彷徨っている。「人を救ってくれるのは人」、天災でも同じことが言えるだろう。言葉は無くともその瞬間を共有し助け合うのだ。
 大分から「ちょこたんさん」、チーム山口から「てんてんさん」、「た♪さん」。そして我らK4Cから、「ろくさん」、「ピエール」、「ニケさん」、「MM君」、「中JI」、「セブン君」とだんごの計10名が集結した。思いはもちろん、「ちょこたんさん」を祝福する為にだ!

九州道を北上!ニケさんがハンドルを握る

 午前8時45分。待ち合わせの甘木インターチェンジ前の某ホテル駐車場にK4Cは到着した。約束の時間より45分も早い!気持ちが先走ったのか、ちょっと早すぎたね(^^;
 しばらく待つと、ちょこたんさん、チーム山口のお二人も到着され、「お久しぶりです」、「おめでとう御座います」の祝福の声が交わされる。皆さんお元気そうで、いやいや「メデタイ」、「いい天気」、「登山日和」etc・・・。
 早速登山口の秋月へ向かう。のどかな田園風景と、旧城下町の面影を残す秋月の町を抜け、野鳥登山口へ到着。午前10時15分、登山開始だ。

気合十分で準備OK!

 舗装道のカジカ川沿いを遡り、秋月キャンプ場から登山道に至る。

登山道は、九州自然歩道だ

 うっそうとした谷間の左岸を歩く。あちこちに地蔵が見られ、流水で流された橋が多い。

中JIさんは今年初登山!

 川を一旦右岸に渡り、堰堤を越えまた左岸へ。渓谷の広場で小休止した。すでに汗だくで、ニケさんへ「タンクトップ、タンクトップ」の声が飛ぶ。すっかりそのキャラが定着したね^^

足元注意!

 砂防ダムを越え、地味にキツイ斜度の坂を登ると左から林道に出会う。この辺が五合目で、この先さらに傾斜がきつくなる><;妊婦のちょこたんさんを気遣いゆっくり進む。斜度はきついし、所々に石畳の道が残り滑る。

辺りが杉林から、自然林に変わると7合目の「水舟」だ

 昔この山に秋月城があったころ、唯一の水場だったらしいが、今は水も濁り飲むのには適さない。
この先は少し傾斜もゆるくなった。山頂付近は、白い石灰岩が辺り一面を埋め尽くす。古処山またの名を「白山」と言うがそれにふさわしい。  展望が時より開け自然の庭園に疲れも吹っ飛んできた。「後少しだ、頑張ろう」!

 登山開始から2時間。予定より15分遅れで、12時15分無事山頂に到着した。「ヤッホー♪」

山頂は石灰岩の庭園で、ベンチや地蔵が置かれる

 山頂のフォト

東側の風景。この遠い空で震災に苦しんでいる人達が大勢いるとは・・・

古処山から延びる縦走路。馬見山まで続く

北西側の三郡山方面

 展望は360度のパノラマで、ひとしきり展望と写真撮影を楽しんだ後、昼食タイムだ。腹減ったー!

 ピエールの新調ジェットボイルで盛り上がるが、中JIさんが味噌煮込みうどんを食べる寸前でぶちまけ、すったもんだしながら緩やかな時間が過ぎていった。だんごは、袋ラーメンを頂いた!

 山頂は無音の世界で、時が止まっているような錯覚を覚える。日は晴れ渡り、風は無風。まったく良い登山日和だ。
 ゆっくり昼食を楽しみ、そろそろ下山の時間だ。急斜面だが近い往路をたどるか、起伏は少ないが遠回りの八丁越回遊ルートを選ぶか思案する。ちょこたんさんの希望から八丁越を選択するが、歩行時間短縮の為、MM君とろくさんだけが往路をたどり、八丁越の登山口まで車を廻して貰う事になった。やさしいのね^^

 残った8名で、八丁越の登山口へ向かう。MM君とろくさんには申し訳ないが、この先が古処山一番の見所の多いところだ。

岩に描かれた如来??

 地蔵、如来、秋月城跡など次々と現れ、この山の歴史を感じさせる。

気持ちの良い道♪

 旧秋月城跡。山上の広場だね^^

ピエールちゃん!ブロックの小屋が興冷めだね><

 道幅は広くフラットで歩きやすい。あっと言う間に八丁越登山口に降りついた。丁度目の前をMM君とろくさんの乗る車が通る。

無事合流し、野鳥登山口まで車で下山だ

 意気投合したMM君とろくさんは別件で先に帰路に着いた。「安全運転で!」。残った8名で、秋月の城下町探索に移動した。

 有料駐車場代の300円を3台分セブン君が持ってくれた!カッコイイ^^ここは、先日のドラマ「遺恨あり」最後の仇討ちの舞台になった「臼井六郎」の故郷だ。今観光客でブレイクしているのかと思いきや・・・意外と閑散としてる><

 「コーラ飲みたいっす」、「アイス食いたいっす」と賑やかなニケさん^^駐車場横の売店でソフトクリームを食べた。20種類ぐらいあるメニューから皆悩んで選んだ。だんごは「バラ」を選んで食べていると、同じものを選んだピエールが「芳香剤食べてるみたい」って。確かに(汗

桜の馬場通り

 男子は城跡の風景撮影に明け暮れるが、てんてんさん、た♪さん、ちょこたんさんはお食事処、スイーツの店に興味津々のようだ^^

 秋月フォト

秋月城は石垣だけが残る

ゆっくり時が流れてる

江戸時代の風景がそのまま残る

 城跡の石垣の上に、昔懐かしい風貌の中学校が鎮座する。咲き始めた梅の香りが漂い、こんな学校で授業を受けられるって羨ましいな。

とにかく田舎の春の新緑、花、清らかな水の流れとうららかな陽気にすっかり癒されたのだ^^

 あっと言う間に時が過ぎ、名残惜しいが解散の時間となった。ちょこたんさんの今後のご多幸を願い帰宅の途についた。山への情熱を絶やさずに、皆さん、また会う日まで!

 人が人の為にしてやれる事は何だろう?一期一会、自分はやり尽しただろうか?そんな事を考えながら帰りのステアリングを握っていた。

日が西へ傾き、睡魔を誘うzzZ

 自分が助けられたから助けたい。いや、見返りを求めず贈る事が本当の愛情だろう。人災であっても天災でも全て許す事であり、全てを受け入れる事もしかり・・・。沢山の被災者の方々にも、ご多幸あれと願う。
 しかしニケさん、イビキどうにかならん!(笑

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