坊がつるキャンプ 白口岳、稲星山


2015年春の一大イベント「坊がつるキャンプ」に行って来ました。

私は登山を20年近くやってるけど、一度渓流釣りキャンプで山キャンプをした以来、初めての本格的な登山キャンプでした。
慣れないもので支度が大変でした。本来テント泊のキャンプならザックは60Lぐらいの容量が欲しいところだが、私の持つザックの容量は45L><
無駄な物をそぎ落として詰め込んでもどうしてもシートが入らない。これだけは外付けにしてパンパンのリュックを車に詰め込んだのでした。

シーン1:自宅(5時20分)⇒長者原発(7時40分)⇒雨ヶ池(9時)⇒坊がつる(10時10分)

自宅から登山口のくじゅう長者原まで約90km。朝5時20分出発だ!
今回の参加者はアギトくん、ニケさん、ピエール、フクさんとだんごの5人。
最近K4Cは主体性と言うか独立心と言うか旺盛になり、ニケさんとピエール以外はそれぞれ各自現地へ向かい、私を長者原で待つのもフクさん一人でした。
彼は本格登山・くじゅうも初めてで、このキャンプ登山に参加した強者です^^

約2時間後、7時の集合時間に少し遅れ到着した。
支度を済ませ、初めてフル装備のリュックを背負うと重いこと重いこと・・・すでに肩が尋常じゃなく痛いです><

「さあ出発ぅ!」

ダテ原の木道を行く。天気は下り坂だが、幕営までは持ちそうだ。
登山口の箱に記名するといよいよ登山道へ。雨ヶ池ルートは最初は緩やかだが、段々と傾斜がきつくなる。


フクさんの悲鳴が響く。
「きつい」、「脚がやばい」、「先に行って下さい」・・・

「大丈夫、大丈夫」とだんごはペースを落としつつ歩くが、自分も余裕はない(^^;

だましだまし歩いて何とか雨ヶ池へ到着。


この先は坊がつるまで下りなので、心なしかフクさんの顔も明るい^^

雨が降り続くとここは池になるのだ。

ゆっくり休憩をとると再出発。木々の隙間から坊がつるの広い湿原が見える。

遠くに我らを待つだろうアギトくん、ニケさん、ピエールのテントが見えている。


湿地帯に降りると、野の花やミヤマキリシマの可憐な花々に目を癒された。この辺りはミヤマキリシマが満開だが、大群生地の平冶岳は標高が高いせいかまだまばらのようだ。

坊がつるの長い湿原地帯に突入!

小さい可憐な花が疲れた心身に嬉しい。

「湿原のお花畑だぁ」!スズキイエローに心も弾む^^

湿原を貫く「鳴子川」の源流。


長者原から約2時間半。幕営地に到着した。「お疲れ様です」^^
すでに色とりどりのテントが張られ、アギトくん、ニケさん、ピエールのテント側にわれらもテントを張った。

シーン2:坊がつる(12時)⇒鉾立峠(13時)⇒白口岳(14時20分)⇒稲星山(15時)⇒鉾立峠(16時20分)⇒坊がつる(17時)

テントを貼り終えたころに少し雨がぱらついた。昼食をとり雨具を着こむと必要な荷物だけを持ち登山に向かった。
ニケさんとピエールは平冶岳へ、アギトくんとフクさんとだんごは稲星山を目指した。


法華院温泉の山小屋を抜け鉾立峠へ。狭い森林の中を行く。ガレ場が多くなり見通しが開けると鉾立峠だ。

峠から右手が稲星山方面で、左手が立中山だ。稲星山に至るにはその手前に白口岳の急登が待ち受けている。
フクさんはその斜度におののき、一人立中山へ向かった。


アギト君とだんごは白口岳に取りつく。すごい坂だ。上に行けばいくほど傾斜がきつくなり最後の登りは殆ど垂直に崖を越した。

そんな時でもイワカガミが見れるなら捨てたもんじゃない。

振り返ると立中山。フクさんは山頂まで行けたかな?

白口岳山頂は20~30平米ぐらいの広さで瓦礫と岩に覆われたいい感じの山頂だ。


四方は遮るものが無く360度のパノラマが広がる。

南に祖母・傾の山々。

東には大きな山体と鋭い山頂を見せる大船山となだらかな山容の平治岳。


遠くには爆裂火山の由布岳も見え、眼下にはテントを張った坊がつるが見えた。

時より霰が降り冷え込んでいたが、手強い登りを越えた安堵感でぼんやりと展望を楽しんだ。
これから向かう稲星山は南側に落ち込んだ旧火口の跡を左に回り込んで大きな山体の南斜面を緩やかに登って行く。

多くの人で賑わうくじゅうも、ここはアギト君とだんごの貸切状態。

「あのピークを踏むために」・・・二人無言で脚を進めた。

稜線に出ると強い風が吹き付けていた。

灌木地帯を抜けると砂場が広がっていた。

強い風に植物は育たないのか、地面に這う低木しか見えない。
ここは地球の終わりかと思えるほどの殺伐とした風景かもしれないし、いやいやちゃんと植物もいますし、目の前の久住山には今も沢山の人が溢れ返っているよ。
そんな静と動が一体となったくじゅうの一面を見て、やっぱりくじゅうはいいなと感心せずにはいられなくて、ホントにこの山頂は来てよかったと思った。


北には大きな山体を見せる三俣山と九州本土一高い中岳。

西には久住山と遠くに阿蘇五岳の涅槃像が雲に浮かぶ。

脚は尋常じゃないほど体から離れた別物のようにフワフワと定まらないが、この360度の展望の前には「チョー気持ちいいっす」ぐらいの軽い言葉が今の自分の溢れ出る思いを抑え込むに丁度いい。
二人思い思いの達成感を持って山を下った。

「さあ、坊がつるへ帰ろう」

坊がつるに着いたは17時だった。

1時間ほど休息し法華院温泉へ向かう。
お風呂は長く浸かれないほど熱々だったが、こんなところで温泉に入れるだけラッキーだよね!
日が暮れると気温は10度近くまで下がり、冬物を持ってないとテントの外では長く過ごせない。テントの中で夕食をとった。


パスタで空腹を満たす。一息つくとニケさんのコーヒーブレークで、今日一日を振り返る。

しかし寒いし眠いしで若干放心状態><早めに寝ますかzzZ

シーン3:坊がつる(8時)⇒すがもり小屋(9時)⇒長者原(10時40分)⇒長者原発(11時)⇒自宅(12時50分)

ありったけの服を着込んで寝たけど、夏用のシュラフでは少し寒かった。冷え切った体を甘いコーヒーで暖める。
時刻は5時半。朝日が差し込んでいた。


ゆっくりと朝食をとるとヤドカリが殻から出るようにテントを這い出す。

ニケさんとピエールはここでも二人先に出発準備を終わらせようとしていた。

足早に去って行く登山者達。7時に二人も出発して行く。
だんごも今日はすがもり越えで帰るだけで、のんびりと支度を済ませていたがフクさんが起きてこない。


初めての登山は堪えたのだろうか・・。アギト君が「俺が連れて帰るからいいですよ」と言う。

「じゃあ任せます」とだんごも一人で8時に出発した。

さらば坊がつる。


法華院温泉からすがもり越えの岩場を乗り越す。

今日一番の急登がいきなりやってきた。


ヒーヒー言いながら乗り越すと、北千里ヶ浜の絶景が待っている。

辛い事があると次にいい事もあるのだ^^

砂漠のような北千里ヶ浜を行く。平坦な道が嬉しい^^

道が左に「く」の字に曲がる頃、右上に登り越すと「すがもり小屋」へ。


台風で壊れた小屋は今はその面影は無い。外壁と鐘だけが残されている。
鐘を鳴らした。「カーン・・・」山に挑んだ勇士の鎮魂歌のような鐘の音があたり一面にこだました。

きびすを返すとガレ場の長い下りを滑るように降りて行く。


硫黄山入口のコンクリート道で1時間前に出たはずのニケさんとピエールと合流!?

「あれ、まだここにいたの!遅いね」とだんご。
「遅くないです。むしろだんごさんが早いんです」とニケさんは言う。まあどちらでもいいけど、一緒に下りましょう^^

そこからは3人でペチャペチャしゃべりながら長者原への道を進んだ。
登山口に着くと脚は棒のようだ。荷物を置き、圧迫された登山靴を脱ぐとやっと人心地ついた。


晴天のドライブ日和。これから帰路につくには勿体ない天気だけど、身体の余力は残ってません><

大観峰からミルクロードへ。雄大な阿蘇のカルデラの縁を行く。


次はどこに行こうか!

そう思いを巡らせながら市街地へ降りて行った。

END

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