K4C Round5 雲仙を満喫!普賢岳回遊登山
 だんご登山人生20年。初めての普賢岳登山が実現した。我らのフィールド阿蘇より直線距離では近い雲仙地区だが、満面の水を湛える有明海が隔てこれまで一度も山行に恵まれなかった。
 20年の布石にどうしても行っておきたい、行かねばと自分を奮い立たせようやくこの日を迎えた。今回の山行にニケさん、ピエール、ろくさんのいつものK4Cメンバーに久しぶりに都合があったまっつんさんを加え、5名は朝6時に集合し有明フェリー(長洲〜多比良)へ出発した!
 6時55分の船に間に合うだろうとノンキに構えていたが、思ったほど前車のペースが上がらずやや厳しい時間になってきた。あげくフェリー乗り場の埠頭を誤ってしまった!痛恨のミス。でもまだ望みはある。数分遅れただけだ、フェリーが少しでも遅れていれば・・・。
 しかし無情にも定刻通りに出向した船が岸壁から離れる瞬間だった><残念。次の船まで55分をまんじりともせず待つはめになった。先が思いやられるよ・・・。
 7時50分の船に無事乗り込み、45分の船旅だ。船上からは雲仙の全容が見えるはずだがこの日はガスがかかりほとんどその姿を見せてくれない。朝の風は冷たく、近寄ってくるカモメの数も何だか少ないな。
 多比良港に着くと、国道を一本道で雲仙へ向かう。約30分で仁田峠のロープウェイ乗り場に到着した。
 時刻は予定より1時間遅れの9時半。山頂にロープウェイの山上駅が見える。天気も良さそうだ。
 準備を整え、いざ雲仙普賢岳回遊登山の開始だ!

 歩くと40分のところを、3分で結んでくれる。遅れを取り戻す為にロープウェイ使用を決定!
皆笑顔でよろこぶ(^^;
 山上駅に着くと、妙見岳山頂1.333Mの看板があるが、ここは山頂ではない。いよいよここからが本格登山の始まりで階段に沿って稜線の肩へ登る。
 細い稜線の歩道を行く、目の前には妙見岳、その背後には国見岳が見える。
 歩道に鳥居が現れ、妙見宮が置かれている。その右手の取り付きを一登りで、本日の一山目「妙見岳」山頂だ!
 山頂を示すものは赤茶けた方位板だけだが、目の前に広がるパノラマはこれから登る山域の全容を望める。
 左手にはこれから向かう国見岳。
 正面には普賢岳とその先に水蒸気を上げる日本一新しい山「平成新山」だ。平成新山とは、平成2(1990)年 198年ぶりに始まった雲仙普賢岳の噴火活動の繰り返しにより出現した溶岩ドームが「平成新山」(標高1483m)と命名され、日本一新しい山が誕生した。
 縦走路に戻り、気持ちの良い尾根歩きが続く。全般的に低い木々が多く展望が良い。キョロキョロしながら歩くとすぐに国見岳の分岐ある。分岐を左に取り。国見岳へ向かう。
 鞍部から今日一番の登りが続く。また引き返してくるのでリュックを置き、身軽な身体で岩場のロープを伝う。潅木の茂みを抜けると本日2山目の国見岳山頂だ!
 山頂は狭く灌木に囲まれている。東側に大きな岩塊がありそこから360度の展望が見渡せた。眼下には島原、国見市内と有明海。遠く諫早湾には潮受け堤防が真っ直ぐ伸びている。ここから鞍部を挟んで、南側に普賢岳とその奥には平成新山が噴煙を上げている。
「絶景だねぇ!」
 来た道を折り返す。岩場を慎重に降りてリュックを確保。ニケさんはアウターと手袋・ガスバーナーなど忘れ、一人だけリュックがペラペラに薄い。「一反木綿のごたる」とろくさんが笑う。
 分岐まで戻り左へ普賢岳方面へ向かう。鞍部までどんどん降りると大きな樹木が目立つようになってきた。この辺りは普賢岳の北斜面にあたり、ひんやりした空気と苔むした岩などうっそうとした雰囲気だ。
 「鬼人谷口」という恐ろしいイメージの分岐を風穴コースへ向かう。すぐに「西の風穴」が現れた。この風穴は火山活動から出来た高温の溶岩が流れた空間らしい。内部は奥深く、気温は年中一定に保たれる。昔はここで蚕の養殖をしていたそうだ。
 風穴の前に手をかざすと冷気を感じるそうだが、今の外気とほぼ同じなのだろうかよく確認出来なかった。
 さらに奥へ進む。登山道途中に石垣やつららなど見れ面白い^^次に「北の風穴」が現れた。ここは東側斜面が切り払われており展望が良い。西の風穴より大きな感じで、ここにも人工的な跡が見られた。甚大な被害を何度ももたらした火山の真横で人は営みを続けている。自然と共生し生きる人間のたくましさを感じた。
 少し休憩して歩き出す。すぐに「鳩穴の分れ」となり右上に斜面を登る。「鳩穴の分れ」から「霧氷沢分れ」までは一方通行なので狭い登山道でも正面から人が来る事は無く自分達のリズムで歩ける。
 一登りで、日本一新しい山「平成新山」の真下に登り着いた。この山はまだ入山規制が解かれていないので、ここから眺めるしかない。その瓦礫に覆われた山塊は若々しい角の立った岩に囲まれ人を寄せ付けない。
 北側には「立岩の峰」と言う6000年前の溶岩ドームがそそり立ち、今はその面影も無く樹木に覆われていた。
 時刻は丁度お昼。雄大な景色を眺めながら昼食タイムだ。いつものラーメンやおにぎりをほおばる。
 まっつんさんはソーセージやミートボールなど手料理を準備してくれていて有りがたく頂いた^^しかしニケさんは前記の通りガスバーナーを忘れ、ピエールにお湯を分けて貰っている。こう毎回だともはや確信犯か!
 ろくさんは新調した折りたたみイスを披露。座面が狭く座りにくいと苦笑い^^;喫茶ピエールのコーヒーブレイクも済んで、各人の個性溢れるランチタイムは過ぎた。
 さあ、最後の仕上げとばかりに主峰の「普賢岳」へ向かう。庭園のような潅木地帯を行く。天気はすこぶる良く、初めての山行に心は躍りっぱなしだ^^
 途中「霧氷沢」と言う紅葉、樹氷の名所がある。寄り道すると深い岩の切れ目には雪と氷が残っていた。日中でもひんやりとする空間だ。
 苔むした坂を緩やかに登ると、だんだん展望が開けて来る。賽銭入れがついた大きな灯篭を右手に見て、左に一登りで普賢岳山頂だ。
 山頂から一段下がったところは岩場の広場で、沢山の登山者がくつろいでいた。我らは普賢岳山頂を記す三角点の大岩に登りその360度に広がるパノラマに目を見張った。真正面に平成新山、左に大村湾から長崎半島、南には通詞島から天草遠くに八代市。東には熊本市内から眼下には島原の街並み・・・。何も言えねぇ。ただ最高。
 いつも自宅から眺めていた普賢岳と平成新山。ようやく立てて、20年の念願が適った満足感が溢れ、ここから帰るのが嫌になる思いだった。
 ひとしきり展望と達成感を噛みしめ、後ろ髪引かれる思いで山頂を後にした。ここからはほとんど降りだ。斜度のきつい区間は「紅葉茶屋」の分岐までで、そこからは道幅も広く斜度もゆるやかだ。
 この辺りは太古の昔から続く原生林だろう、苔むした雰囲気がとても心地よい。だんごが一番好きな登山道だ。
「あざみ谷」は広い空間で、ベンチが置かれている。巨大なモミの木など見どころも多くトレッキングには良い場所だね。ここから仁田峠までに一旦軽く登り越して降りにかかるとほど近い。上にロープウェイのワーヤーが見え、思ったより早く登山口へ到着した。お疲れ様!
 仁田峠の展望台から平成新山を眺めた。火砕流が流れた斜面は今も草木が無く、その爪痕を色濃く残している。自然の脅威に触れその懐に抱かれる。危険と楽しみは隣り合わせの登山。毎回無事下山出来る事に感謝!

 登山が済むとお楽しみの温泉タイムだ。ろくさんお勧めの「小地獄温泉」へ向かう。ひなびた感のある日帰り入浴場だが、施設は新しい。乳白色のお湯はシャワーのお湯まで源泉かけ流しで、熱めと温めの二浴槽があり疲れた体を癒すには最高だ。当然皮膚病などの疾患にも効能が有りそう。
 すっかりくつろいで、せっかく雲仙まで来たので温泉たまごを食べに地獄めぐりに立ち寄った。あちこちから蒸気が上がるまさに地獄のような景観だが、源泉を引きこむパイプが多いのは興冷めか・・・。
 念願の温泉たまごを頂き、「大叫喚地獄」の猛烈な蒸気に圧倒されつつ観光客気分を味わったのだ。登山・温泉・観光と雲仙を満喫し大満足で帰路についた。
 フェリーから見返すと夕日が沈んだ後の残光でかすかに雲仙が見えていた。今後はここに来る頻度も上がりそうだ。ゆらゆらと揺れる島原の街明りがキラキラと輝き返した。
 
 皆さん!お疲れ様でした^^
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