k4cファイナル!2011年ラスト霧立越登山11.12.29

白岩山から見た水呑の頭(白岩)

 10月の中旬以来登山に行っていない今日この頃。今年最後の登山に行きたいと悶々と過ごしつつ、その機会が年も押し迫った12月29日やってきた。

我らK4Cは、今回JB23さんと中JIさんとだんごの3名で、宮崎県五ヶ瀬町の霧立越を目指した。午前8時、天気は晴天!「さあ、行こうー」^^

 国道445号線を山都町へ向かい、国道218号線を左折。約1時間で、馬見原から椎葉村方面へ右折。心配した雪はどこにも見当たらない。

 霧立越とは、九州脊梁山地の向坂山(1684m)から扇山(1661m)にかけて尾根伝いを辿る峠道で、その昔熊本県馬見原から宮崎県椎葉村まで馬の背で物資を輸送する生活道だった。昭和8年、椎葉村に自動車道路が開通してから霧立越を通行する人はしだいに途絶え、今はスキーや登山客だけが訪れる静かな山域だ。

 霧立越の全行程は、椎葉村尾前から熊本県馬見原まで約30数Kmに及ぶが、今回の登山は五ヶ瀬町側のカジバル峠から白岩山、白岩(水呑ノ口)、向坂山までの回遊登山で約10Km、所要時間は約5時間の工程だ。霧立越は、起伏の少ない尾根伝いにブナやナラ、イチイなど高山性植物の原生林で厳冬期を除けば楽しい登山が楽しめるおすすめの山域だ。
 
 10時少し前、五ヶ瀬ハイランドスキー場のリフト乗り場となるパーキングセンターに到着。ここをカジバル峠と言う。

 カシバル峠とは「カシキ取り場」からきている言われる。カシキ採りとは薪や木の葉や草を刈り取って田んぼに肥料として入れるコイクサ(肥草)伐りなどをすることで、カシキ原がカシバルとなったと言う事だろう。カシバル峠から尾根を下ると中腹にカシバルという地名があり、そこには水田跡や小屋跡などがあり、このカシバルの尾根の基部であることからカシバル峠になったのだ。

 午前10時、登山開始だ。スキー客は沢山居れど、登山客は我らだけかな(^^;

 カシバル峠から先は国有林となり、峠から約1kmほど国有林林道を歩く。路面にはちらほら雪が積もり、路面はカチカチに凍っている。右の急なヘアピンカーブを越えたあたりが霧立越の登山口で、この辺りをゴボウ畠と言う。ゴボウ畠とは、オタカラコウの大群落がまるでゴボウ畠のように見えたことからゴボウ畠と呼ばれるようになったとか。

 ゴボウ畠から縦走路の日肥峠までは約600m。日陰には雪が足首付近まで積もり、けものの足跡を見ながら歩く。

 この間はだらだら登りが続く。厚着した身体から汗が吹き出る。「今日は暖かいね」

 この付近はブナやミズナラ、低木のシロモジなど原生林。「ハリギリ」なんて木もあった。はりきって登ろう^^

 約30分ほどで、日肥峠に到着した。日肥とは、日向の国の日と肥後の国の肥を意味し、その昔材木を肥後の矢部方面に搬出していた。日肥峠は、スキー場から霧立連山の主峰、向坂山(1.684b)経由で尾根伝いに降りてきた歩道と、ゴボウ畠から登ってきて白岩山方面へ向かう霧立越の歩道、日肥山へ降りる歩道の4叉路に分岐している。ここからまず左折し白岩山、白岩の山頂を踏み、またここに戻り向坂山へ向かう予定だ。

 この峠には霧立越関所と標した箱があり、箱には漫画が書いている。正面は、駄賃つけさんが馬を引いて通るところを狸が狙っている絵で、この付近には性質(たち)の悪い狸が出没して化かしたという絵だ。箱の左側の武者の絵は那須大八熄@久で、鎌倉幕府の命を受けて平家追討に赴いたということを表している。

 もう一つの絵は西郷隆盛で、明治10年4月に西南戦役で西郷隆盛率いる薩軍が退却した道という意味だ。箱の右側の絵は、剣豪丸目蔵人のタイシャ流武術がこの道を経て伝わったことからタイシャ流の試合の絵が描かれている。

 ここで一服し、いよいよ霧立越縦走路を行く。起伏の少ない気持ちの良い道だが、雪で道が見分けずらい。足元をみながら一歩一歩行く。

 簡易アイゼンを装着し、静寂の森に「ザクザク」と踏み音だけが聞こえると言いたいところだが、遠くスキー場の有線音楽が風に乗り聞こえるのは閉口もんだね><

 眼下にカジバル峠が見え、高低差を感じる。登ってきたね^^

 鹿よけのネットを越えると、日肥峠から約30分で白岩山だ。縦走路は、岩峰を左に迂回するが山頂へは右に40mほど岩場を登る。途中ロープにすがり一登りで山頂だ。

 山頂はこじんまりとした石灰岩の岩峰で標高1.620m。360度の展望だ。「ヤッホー」♪

 しばし展望を楽しもう♪

 延々と続く、霧立越の峰々

 正面に九州山地の主峰、「国見岳」。雄大なパノラマだ。

 実はこの白岩山山頂には三角点が無い。ここから30分ほどの水呑の頭(かしら)に三角点があり、国土地理院の25.000/1の地図に記されている白岩山とは現在の水呑の頭を言う。

 縦走路に復帰し、水呑の頭(かしら)に登る分岐に出会う。左折し一登りで三角点のある水呑の頭に到着した。本日の2山目だ!「ヤッホー」♪

 地図で言う白岩山は標高1.646mで、「水呑の頭」と言うのが正式名称だろうか・・・?展望は無いが、原始の自然の佇まいが美しい。

 時刻は12時半。お待ちかねの昼食タイムだ。JB23さんはラーメン、中JIさんは豚汁、だんごは肉うどんで暖を取る。日差しは暖かいが風が吹くとすぐに身体が冷えてくる。暖かいものが嬉しいね^^

 静寂とおいしい空気。目を癒してくれる風景。地球上に我々だけしか居なくなったような空間だ。たまらんなあ^^

 

 記念写真を撮りゆっくり休息を取ったところで、13時半向坂山を目指して来た道を引き返す。

 雪道は疲れるなぁ><

 日肥峠をまっすぐ進み、向坂山へ向かう本日一番の急坂を登る。南側で日当たりが良く汗が噴出してくる><;

 

 元気なJB23さんは駆け足で登って行った。中JIさんとだんごはボチボチ歩く。

 稜線には大木が多く、ブナ、ナラのプロムナードだ^^

 稜線に上がりここが山頂と思いきや・・・尾根道が続く。

 登山ではよくある事で、山頂と思っているとその先にもっと高い峰が見える。心は折れるが、そこまで行かなきゃ!!

 14時半、本日の3山目向坂山1684mに到着した。「ヤッホー」♪

 山頂は尖がった先端のこじんまりとした平地だ。展望は利かないがこの登山一番の高地に満足^^

 男三人、冬枯れの霧立越最高峰に立つ。風が肌寒い。そそくさと下山しよう。

 来た道を戻る。後は下りだけで話も弾む。

 日が陰った林道はアイスバーンだ。滑らないように雪や砂利を選んで歩く。

 15時半、無事にカジバル峠に到着した。スキー客も帰路を急ぐ人が多い。さあ暖かい温泉が待っている。我らも帰る準備だ^^

 2011年の登山、無事終了した。2月、雪の仰烏帽子山から始まり今回で丁度20山目。そして今回も雪の登山だった。

 1年が駆け足で過ぎて行く。日々の営みに疲れた時、雄大な自然が心を癒してくれた。些細な事で一喜一憂しても、この大自然は変わらない。時に大きな自然災害を受ける事もあるだろう。震災で家どころか多くの人の命が奪われた。

 そんな2011年を振り返り、大自然は受け入れて付き合って行くしかない。そう山のように大地にデンと根を降ろして。

 NEXT2012年来年もよろしく。「ヤッホー」♪

記録

カジバル峠(10:00)→ゴボウ畠(10:20)→日肥峠(11:00)→白岩(11:45)→白岩山(水呑の頭)(12:25)

白岩山(水呑の頭)(13:30)→向坂山(14:25)→カジバル峠(15:30)

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