K4C Round11 球磨川源流の旅

熊本県球磨郡水上村

 5月の大崩山以来、2ヶ月半ぶりの登山に出かけた。夏の暑さを和らげる九州山地のど真ん中、球磨川の源流登山だ。

 当日天気予報は曇り、暑くなくて丁度いいなんて待ち合わせ場所へ向かう。今日の参加は3名、中JIさんと7君だ。このコンビは昨年の大山以来!「あれも夏だったねぇ」なんて話しながら、九州山地の奥地へ向かう。

 出発から2時間半、白蔵峠についた。ここはカップ麺の旅や、林道ツーリングで以前紹介した場所だ。

 

人っ子一人居ない・・・

標高1.184Mだと

 ここから20分ほどで、球磨川源流の入り口に到着。さっそく登山準備だ。

ここも誰も居ない・・・貸切だね^^

 球磨川にかかる橋を渡る。

その名はずばり「源流橋」!

昨日の雨のせいか水が少し濁る

 球磨川とは日本三大急流の一つで、熊本では一番長い川だ。鮎釣りが盛んで、シーズン中は各地から沢山の釣り好きが集まる。急流をすべる球磨川下りや、最近ではラフティング・カヌーも盛んに行われている。

さあ!準備OK

 10時丁度、渓流の右岸から遊歩道を行く。 うっそうとした森を軽くアップダウンする歩きやすい道だ。

大きな天然杉が我らを見下ろす

 15分ほどで渓流にかかる丸太橋を左岸に渡る。濡れてて滑る(^^;

ファイト、一発!!

 左岸の斜面を進むと2箇所枯沢がある。鉄砲水でも流れたのだろうか?

この後悲劇が待ち受けているとは知る由も無かった

 二つ目の枯沢を越えると目の前には滝が!「うーんマイナスイオン最高」。

この写真、覚えててね

 滝のすぐ上に分岐があり、右は山越えの安全なルートだが距離が長い。左は沢の斜面をトラバースする危険なルートだが距離は近い。

往路は左へ、復路は山越えルートから戻る事にした。

だんごは今回で3回目、どちらも経験あり

 取っ掛かりの無い斜面を慎重に歩く。路面は濡れて滑りやすい。時よりロープがあるから積極的に利用しよう。

ずるっと来たらまっすぐ谷まで落ちるからね><

 小一時間歩き、軽く休憩。久しぶりの登山に中JIさんも辛そうだ。

見上げるとどこまでも続く原生林

雨も多く苔むした木々と岩

九州山地の真ん中に居るのだ

 川に段々近づき、視界が開けると源流は近い。

ここが源流だ。あっちこっちから水が湧き出し、一斉に川になる

 源流の一番最高部まで行く。案内板の下には混沌と水が沸いている。

ここまで丁度1時間半

水はとても冷たく30秒と浸けていられない><

 ここに来て雨が降り出してきた。森の中にいる我らには雨粒はそれほど感じられなかったが、昼食を摂るには辛そうだ。

源流の水でお湯を沸かし、コーヒーブレイク。喫煙者の3人はうまそうにタバコをふかした。「雨が無きゃもっと良いけどね」

さあさあ早めに退散しようか

 12時丁度、山越えの下山ルートを行く。雨が激しくなり、霧が視界を奪う。カッパを着たせいか止まると自分の熱気でメガネが曇る。そういえば3人ともメガネだね^^

 メガネに容赦なく水滴が張り付き、登山道のテープを何度も見失う。数メートル置きに道を確認するがそれでも迷い、何度もルートを外れた。その度に危険な斜面を降りたり、横切ったりでみんな泥だらけ。歩いているか滑っているか解らない感じだ。

 何とかルートを取り戻し、滝の分岐まで戻った。通常下山は1時間のコースだが、ここまで1時間を要していた。やれやれと思った矢先に目の前にあり得ない光景が広がっていた。枯れていた沢が雨で濁流に変わり果てていたのだ。

「えーっ!なんじゃこらー」(@@;

本流の滝もこの通り増水!!

 とりあえず沢に近づいてみるとこの水流!ここを跨がないと帰れないのだ><

山頂では相当の雨が降ったのか・・・。

 水の浅いところを探し上流へ移動した。雨脚は激しく、どこも渡れそうなところがない。

「とりあえず休憩しましよう、どんな状況も楽しまないと」と7君。落ち着いて居てくれて安心だ。中JIさんは、こんな状況でもポーカーフェイス^^

雨が弱まるのを待とう

 しばらくすると少しずつ水量が減ってきた。「今のうちに渡ろう」、そういいながらまた雨脚がひどくなってきた。今を逃すとまた水量が増える。2メートル弱くらいの水流を見つけ、だんごが飛び越えた。7君も続く。一番心配な中JIさんも孤軍奮闘飛んでくれた。

 やっとの思いで活路を見出し、下山道に復帰した。しかし安心出来ない。そう丸太橋を超えなきゃいけないから><

 案の定と言うかやっぱり丸太橋は使える状況では無かった。

ここを渡れば10分くらいで帰れるのに・・・

 仕方なく左岸の斜面を行く。道と言うものでは無い。渓流を歩き、滝は山に巻いた。山の斜面は滑落防止の為尾根の平坦なところまで上がる。

2時間が過ぎ、3時間が過ぎた。時刻は15時を回った。1時間の下山ルートを3時間も歩き、いまだに駐車場に着かないと言う。疲労と空腹、危険と寒さを襲う。真夏と言うのに、手足が冷え切っている。

 3人ともびしょぬれの泥だらけ・・・足はもつれ、掴んだ木は折れ、乗った石は転がる。谷間に嫌な音を立てて落石が転がる。洒落にならん><

 「あ!あれ中JIさんの車じゃないですか」。7君が指差した谷間の遥か下に白エスクが小さく見えていた!「おぉー!!ホントだ」、「やった、やった降りよう」

 そうして15時半、無事登山口に折りついた。7君、中JIさんは手を負傷、だんごは転がってきた石が左腿にあたり打撲したが、何とか生きて生還してとりあえず良かった^^

増水した球磨川

 泥だらけの体を洗う。濡れていないところはどこも無い。ここでデジカメ水没(泣きっ面にハチ)

 16時、白蔵峠の東屋に着き遅い昼食を摂った。久しぶりに身の危険を感じたよ。とにかくみんな無事でホッとした。だんごの計画に連れられて事故でもあったら申し訳がたたない。

 「そろそろ帰ろう」、車に乗り込むと寒くてたまらない。真夏なのに28℃の暖房を入れ、峠を下った。こうやって低体温症になり遭難するんだろうね。

無事帰還、身体中ガタピシ><

 身体に暖かさは戻ったが、最悪の場合を考えると寒くなる山行だった。

 お疲れ様でした。教訓、雨の日の渓流は増水に注意!!

 自宅に帰ると、「熊本県地方の土砂崩れ警報は解除されました」とテレビが伝えた。そんな事、朝言ってなかったよ〜!!

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