晩秋の由布岳!波乱の登山 10.11.14

 ネット社会の恩恵でお知り合いになった大分の「ちょこたん」さんと、チーム山口の「てんてん」さん、「たー」さん。今年は阿蘇、往生岳〜杵島岳縦走から始まり、花の平治岳、夏の大山と長丁場の山行を同行させて貰った。

 ちょこたんさんは09年初対面の八方ヶ岳からそのタフさは認知の上だが、近年登山を始められたチーム山口のお二人は、初心者とは思えない上達ぶりで、だんごもヒイヒイ言う登りを楽しくおしゃべりされて登られる姿は「若いっていいなぁ」と思うと共に、「楽しく登山する」それが何よりも大事で、楽しいからこそまた登山に行き、おのずとレベルUP出来ている様子が傍からも頼もしくみえる。

 皆さんとは、今年最後の登山になるだろうその舞台に、大分県湯布院の由布岳に向かった。今回初めてちょこたんさんの彼氏さん「Yさん」と、チーム山口から「Aちゃん」が参加され5人と、我らK4Cからニケさんと7君とだんごの合計8名での山行だ。

 午前5時過ぎ、突然電話が鳴り飛び起きた!ニケさんだ。「あのぉ、今家の前に来てますけど・・・」!いかん寝坊した!!焦りながら着替え、前日用意した荷物を銀FISに詰め込む。「悪い悪い、目覚まし鳴らんかったよ」と、迎えに来て貰ったのに申し訳ない><なにはさておき、7君との待ち合わせ場所へ急ぐ。午前6時、予定通り7君と落ち合い湯布院に向け出発だ!

 大津町から阿蘇北外輪山に標高を上げると、空も白み始めた。ミルクロードで雲海を眺める。

「チョー綺麗」!ニケさんが叫ぶ^^

別府〜阿蘇道路通称「やまなみハイウェイ」を水分峠へ。湯布院IC付近でちょこたんさんから「もう着きました」とメールが!「うあ!やばい遅刻やん」急ごう!!

 予定時刻より若干遅れ、由布岳正面登山口に到着した。「すいません、遅れまして」m(__)m皆さんすっかり準備万端で、挨拶もそこそこに我らも急ぎ仕度を整える。初対面のYさんと、Aちゃん。お二方もとても良い方で安堵した。今日は宜しくお願いします♪

午前9時登山開始だ!

 なだらかな草原地帯を行く。先行に団体がおり人気の由布岳は今日も沢山の人で溢れている。

 曇り空から日差しが漏れ、背中に照りつけ始めた。先頭のだんごは、極力ペースを押さえているが既に汗だくです><;潅木地帯に入る前に上着を脱ぎ、ほぼ30分で予定通り「合野越」についた。休憩を入れると女性陣がお菓子の配給をしてくれるので、我らはお座りをして待つのだ^^有難や〜♪

空間が開け、丁度良い休憩場所だ

 軽く水分と甘味を採ると元気100倍!しかしこれからが手ごわい登りの連続だ!潅木地帯を抜けると由布盆地が眼下広がる。

「チョー綺麗」!ニケさんから今日二度目の「チョー」が聞けた^^

 岩が転がるジグザグの登山道を少しずつ高度を上げた。何度も抜き抜かれつを繰り返す登山者とはすっかり顔なじみだ。「若い人は先に行きなさい」、「大学生ね?」と言われ喜ぶ我ら!「こころは十代です」^^

 岩場の急勾配を喘ぎながら這い上がると西峰、東峰の別れ「またえ」だ。沢山の登山者が西峰の鎖場に取り付くか、東峰にするか迷うところで一息入れるに丁度良い。

この後恐怖の鎖場が待っている!

 ここに来て初めて風が抜けるせいか、止まると風が冷たい。そんな中汗だくのニケさんは「チョー暑い」と上着を脱ぎタンクトップ姿になった(・・;人懐っこい若い登山者が「それはやり過ぎでしょう」と笑いかける。ニケさんは、上着の中に来ていた服を一枚減らしただけだったのだが、思えばその頃からニケさんは変調をきたしていたのかも知れない。そうとは知らず西峰の崖に取り付いた。鎖は補助的な役割で、手足を使い3点確保で慎重に登る。

ニケさんはここでも「チョー怖ぇー」って言っていただろうか?

 落石や転落の可能性もあるので、一人ずつ壁を登る。先に登っただんごは上から様子を見ていた。すると、「上は渋滞しているのか」と年配の登山者が下から問いかけた。「渋滞してません」と言うと、「下が詰まっているから早く登れ・・・」みたいな事を言ってきた。慣れない岩場に皆慎重な登坂をしているのに、そう言われてもね・・・我らも先行者が上がってしまうのをおとなしく待っていたのだ。人が多い山には色んな人がいるもんだ。日常の雑踏を避け自然に触れようと山に来ているのに・・・。まったく気分悪い(ムキー)プンプン!

 気を取り直し、先へ進もう。西峰山頂は間近だ。自然の庭園のような低い潅木地帯を抜けると西峰山頂だ!「ヤッホー」♪午前11時半、無事1584mの山頂に至った。

 「お腹空いた」、空いたスペースを見つけ各自座り込み弁当を広げた。この後、由布岳登山のハイライト、「お鉢廻り」と東峰登山が待っている。体力と元気を補給しなければ!

ナイフのエッジを行くような「お鉢廻り」

 しかしここでニケさんの異変発覚!まったく何も食べられないと言う。気分が悪いのだ。昨夜寝不足でハードな登坂を続けたものだから、身体がギブアップだと辛そうに語る。「しばらく寝ていたら体調が良くなるかも知れない」、昼食が終わるまでゆっくりして貰おう。

正面の東峰を眺めながら、おにぎり、弁当、ガスバーナーで湯を沸かしカップ麺など、美味しく頂いた^^

 昼食も終わり、さあそろそろと言う時ニケさんは「一人で下山します」と決断した。「大丈夫です、一人で降りれます」とニケさんは言うが、だんごは一人で下山させるべきか、皆で降りるか迷っていた。我らK4Cだけなら迷わず全員で下山出来るが、この日の為に遠方から集まったパーティーを巻き添えにはしたくないからだった。だんごだけが付き添って降りようかとも考えたが、「じゃあこの先は皆で頑張って」と言うのも無責任過ぎる。

 結果的に一人で下山して貰う事となった。ニケさんの「自分のせいで皆に迷惑かけたくない」、「大丈夫です、行けます」の言葉で決断した。この山行、携帯電話は繋がるし登山者も沢山いるので一人で行き倒れる事はないだろう。無事下山出来る事を祈るしかない。

 しかし、結果から言うとこの時皆で下山していれば良かったと言えるかも知れない。何故ならこの先もっと困難が待ち受けていたからだ。

 塚原コースの分岐まではゆるやかに確かな足場を下ったが、その先は危険と隣り合わせのやせた尾根の岩場を歩く。

登山の醍醐味だが、苦手な人は恐怖の縦走だ

今降りてきた西峰と火口

 まったく気の抜けない岩場を、一歩一歩確実に進む。周辺の高度感とスケールは最高で、人気があるのもうなずける。7君は、「ヤッホー」とか、「構えて、第一に安全ヨシ」と会社の標語を叫び盛り上がる^^

 順調に進み、お鉢廻りを3分の2程過ぎた頃異変が起きた。後方の女性陣が停止している。Aちゃんの気分が優れないとの事で急遽大休止を採る事になった。男性陣は遠慮して遠くで回復を待ったが、いよいよ回復は難しくこの先の登りに耐えられない状況だ。

 恐らくAちゃんは無理して歩かれたのだろう。Aちゃんの異変に気付いてやれなかった事が悔やまれたが><この後、登りをさけるルートを思案しようにも地図を持って来ていなかったのは痛恨のミスだった(泣

 今度で3回目のお鉢廻りだったので不用かと決め付けていたが、こんな事があるなんて・・・恐らく最短下山ルートは「塚原コース」だろうが、それを核心する術もないし、降りてから駐車場までどう戻るかと言う問題もある。先に降りたニケさんも心配だし・・・><;

 ちょこたんさん、Yさんと相談し、二手に分かれる事にした。ちょこたんさん、Yさんは予定のルートで正面登山口に降りてニケさんと合流し、車を塚原登山口方面へ廻して貰う。7君、てんてんさん、たーさん、Aちゃん、だんごは最短ルートだろう塚原コースで正面登山口の真裏に降り、携帯電話で位置を取り合いちょこたんさん、Yさんに拾って貰うのだ。

 時刻は14時。早速二手に分かれ、我らは塚原コース分岐へ岩場を戻る。Aちゃんの体調を計りながら少しずつ進んだ。「焦る事は無い、明日の朝まで着けばいいから」^^Aちゃんのリュックをたーさんが持ち、全面バックアップで行こう!!

 塚原コース分岐から、狭くイバラの多い道を行く。地図は無く少し心配になってきたが、それもわずかではっきりとした登山道に至った。予定外のルートだったものの、この先素晴らしい自然の庭園が広がっていた。

苔むした自然の庭園

太古の自然そのままだ

 我らの歩く音だけが広がる。人の手が及ばない自然は静まりかえり、凛と張り詰めた空気が辺りを包む。だんごはだんだん楽しくなっていた。なぜならこの空間がとても好きだから。ここにいると、今世界中に我々だけしか居ないような、大自然に抱かれているような気になるのだ。

 「あの海の波にのまれたい」という小説のくだりがあったが、山ならば「あの岩になりたい」とでもいうのか、とても心地よくずっとここに居たい気持ちになってくる。予定外のルートで、由布岳の違う一面が見れてそれは怪我の光明と言うか、嬉しい誤算だ。

 幸い、Aちゃんの体調も復調気味で、順調に下りの歩を進める。落ち葉で埋まる登山道をグングン標高を下げた。

塚原コース入口までたどり着いた

 無事予定の塚原登山口に降りついたが、目の前には左右に林道が!「どっちに行けばいいだろう」?こんな時地図があれば・・・。てんてんさんがちょこたんさんに連絡を入れた。ちょこたんさん、Yさんはもう少しで正面登山口に着くらしい。ナビの地図を見てから連絡を貰う事とし、我らは一旦休止した。

正面には「鶴見岳」

 恐らくナビには無い林道だろう。連絡を受けたが我らの位置は確認出来ないようだ。北斜面の塚原口は肌寒い。暖を取る為にもカンを付け、林道を右に歩いた。「どこか目印があるだろう」、そんな感じだ。

山ガール3人、悲壮感は無く頼もしい!

 その後幾つかの分岐を、下へ下へと降り大きな道に出た。「やったー」!後は迎えを待つばかり。だんごの携帯電話は電池が切れ、7君、てんてんさんと、ちょこたんさん、ニケさんのやりとりが続く。17時を過ぎ、辺りが暗くなった頃Yさんの車と、銀FISが現れた。「おーい!ここココ」。

 皆無事で合流して、一安心。一時はどうなる事かと思ったが、Aちゃんは最後まで頑張って完歩された^^/お疲れ様でした〜!

「リベンジお鉢廻り&東峰」!

 その後3台の車で湯布院町に移動した。温泉へ向かう途中、我らの銀FISがはぐれたが、Yさんの的確な案内で復帰し、温泉と食事を楽しんだ。

 20時過ぎ、湯布院町を後にした。皆さん無事帰宅されたようで、だんごの長い一日も23時の自宅到着で無事終了した。ちなみにニケさんの名誉のため付け加えると、往復のステアリングはニケさんが握られた^^

 色んな事があり、その時最善の対応がとれていたのか今でも解らないが、地図を持っていなかった事は完全なミスだった。これを教訓に、今後の登山を続けて行きたい。

 山口、大分、熊本合同パーティー登山は今年これで最後になるだろう。来年もまた、皆と山を楽しみたい♪

 そして、何時か「チョーリベンジ、由布岳」!!

 

 

 

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