石楠越〜石楠山〜山犬切〜七辺巡り登山 10.08.01

 七辺巡り(しちへんめぐり)、この響きにどれだけ妄想を描きたてられただろう・・・。

そこは天空の楽園で、シャクナゲ、ヤマシャクヤクなどの花が咲き乱れ、凛とした空気と清泉な水。ブナの大木と石灰岩に苔むす自然の庭園。写真や本で読み、いつしかだんごの理想郷としてふくらんでしまった。

七辺巡りの由縁は平原状の尾根をグルグルと七回廻ってしまうほど迷いやすいと言うところからきている。よく無茶をするだんごだが、この山域に足を踏み入れるまでに相当の時間を要した。比較的登りやすい周辺の山を詰め、満を持して初の七辺巡りを目指した。

 8月1日日曜日、当日は曇り空で、九州山地には白い雲がどんより垂れ込めている。「視界が利かないなら引き返そう」と自宅を出発した。

3333段の石段で有名な美里町から、子別峠を目指す。途中崖崩れによりルート変更を余儀なくされ、県道52号線を久連子へ。

清流「川辺川」、昨夜の雨で増水してる

秘境久連子から、時より土砂の崩れた大規模林道をゆっくり高度をあげる。道路脇にポツンと佇む石楠越の標識が、登山口の目印だ。

霧雨が降るものの何とか登れそうだ

 10時45分登山開始。登り始めると、いきなりの急勾配><だが長くは続かず、杉の造成林を行く。赤テープの目印をにらみ、ルートから外れないよう注意するが、いかんせん目印の数が少なく、2、3度見失っては引き返した。

うっそうとした森の中には色んなきのこが盛りだくさん

 2、3度、沢の谷間斜面をトラバースし、自然林の中を緩やかに登り詰めると「石楠越」だ。ここまで30分。

字が見えない>< 人吉山の会、ありがとう♪

 ここは昔の街道。無数の踏み後が四方に伸びるが、尾根上の一番大きな道を「山犬切」の標識に従い歩く。

ほどなく標識も無い三角点。ここが石楠山山頂のようだ。

標識は風で飛んだのか??標高1450m

 ここから先は、快適な尾根道だ。雨で視界は効かないが、アップダウンの少ない道を快適に歩く。登山道に下草は少なく、道幅も広い。見上げるとブナの大木に「天気が良かったらなぁ」とちょっと残念><

最近落ちたのか、カミナリに打たれたブナ

 周辺の霧が濃くなり、視界が利かない。もう引き返そうかという思いとはうらはらに、気分の良い縦走路に足は止まらない。

広い空間に枯れた木々 自然環境も厳しいのだろう

 しっとりとした平らな地面には、踏み跡が無い。もしかするとこの山域に今居るのはだんごだけかも知れない。そう思うと、大自然に抱かれている気がして、なんだか心地良い。

足のサイズと同じ!でかい落ち葉

 ブナの森から、石灰岩の平原地に至る。

山犬切に近づくと、だんごの理想郷が見えてきた^^

雨に打たれ、夏なのに肌寒い だがもっと先へと導かれた

 登山開始から、1時間15分。「南山犬切」山頂だ^^ヤッホー♪

ここまで休憩もせず着た!標高1562m

 時計は丁度12時。お昼にしょう!今日は自分で握ったおにぎりをほおばる。

動きを止めると身体が冷えてきた。「下界は真夏の暑さなのに・・・」><。ウインドブレーカーを着込み、早々と次の目的地へ出発!

 この先が、いよいよ「七辺巡り」だ。視界は効かず、ついでに湿度でデジカメのレンズが曇る><;今日は良い写真は無理だな・・・。

 南山犬切から七辺巡りまで30分位かなって思っていたが、15分も行くとそれらしい雰囲気の平原についた。そしてあっけなく「七辺巡り」到着だ。12時40分

標高1590m 無数の分岐が迷いやすい由来だが、周辺には多くの標識。迷いやすかったのは昔の話で、今は迷う事はないだろう。

 森の中のポッカリと開いた平原に、心休まる。本当に晴れた日に着たかったなぁ><

 天気の回復が見込めない。ゆっくりしたいところだが、下山開始だ。12時50分

最近の雨で、浅い池が無数に出来ている

 下りも軽快に進む。自分の足跡を踏んで来たルートを戻る。

倒れたブナの木に、新しい命 自然はたくましい

 午後2時丁度、登山口に無事到着した。短い山行だったが、自然に抱かれた数時間だった。今度は晴れの日に!

後方に今登った山域

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